米国一部市内のペットショップに対して、
ある条例が可決された。
【ペットショップにて取扱われる動物は、
シェルターや動物愛護団体で保護された動物でなければならない】
という条例だ。※2015年8月に可決。
参考元▼
A resounding ‘no’ to puppy mills | Best Friends Animal Society
そしてこれは、言い換えると
【パピーミル】を徹底排除を表している。
パピーミルとは
ブリーダーは大きく分けてシリアスブリーダーとパピーミルに分かれる。
シリアスブリーダーとは血統を残すことを目的としたブリーダーであり、
親犬の健康に配慮し無理な出産をさせない。
それに対し、営利目的であるブリーダーをパピーミルと呼ぶ。
パピーミル(英語:Puppy mill)は、
英語で「子犬工場」を意味し、
営利を目的として犬などの愛玩動物を、
劣悪な環境下で大量に繁殖させる者のことを指す。
彼らに犬猫への愛情はなく
仔犬・仔猫というお金を生みだす機械として考え、
母犬の状態を一切無視し大量に子を産ませ
子犬猫がどんどん市場に出回ることに重点を置く
つまりこの条例は、
“営利目的での劣悪繁殖を一切許さない”という意志を
あらわした条例なのだ。
加えて、
ペットショップで保護を必要とする動物達を扱うことにより、
子犬猫の衝動買いを抑制、捨て犬猫の減少、
保護されている犬猫達の里親を探しだすことを目標としている。
なんて素晴らしい条例だろう。
どれだけ殺処分される動物たちが減ることだろうか。
駅前のペットショップやデパート内にあるペットショップで、
保護を必要とする動物達に出会えるのだ。
保健所や保護施設に足を運ばなければ出会えない動物達に
買い物途中、会社帰りなど、より身近に出逢えるということなのだ。
この条例可決の記事をよんで、
ふと小学生の頃の事を思い出した。
当時の我が家の門前には、
捨て犬、猫が入ったダンボールが頻繁に置かれていた。
そのため、家族で保健所の里親探しのイベントに
毎週のように参加していたのだが…
会場はどこをみても動物たちで溢れて、
人の数は圧倒的に少なかったのを覚えている。
そして、夕方になって、私達家族が引き取り手が見つからなかった子たちを家に連れて帰る頃、会場の犬や猫は残されたままとなっている。イベントに子犬を連れてきた飼い主が、そのまま子犬達を置いて行ってしまうのだ。
里親探しのイベントのはずが、まさかの捨て場所に早変わりだ。
当時はペットブームでもなく、
動物愛護意識もとても低い時代だった…としか言いようのない実態で、
今は昔と比べ、大分考え方は変わってきている。
が、しかし今もなお、
保護を必要とする動物達の方が上回っているのも事実である。
この条例がもたらすメリット
この条例により
テレビや記事でしか、保護を必要とする動物たちの現状を知らなかった人達が
より現実を目の当たりに出来る機会が増えるだろう。
可決されたばかりで、課題も多くあるようだが、
それでも、可決された地域では
“動物を引き取る手段”が、
“シリアスブリーダーから”か、
もしくは“保護を必要とする動物達”か、という2択になるのだ。
パピーミル徹底排除は
さらにその奥の深い問題“殺処分”を無くす第一歩としても、
素晴らしい試みになるだろう。
アメリカでは条例が可決された地域だけでなく、すでに100近い地域で、
パピーミルにより繁殖された動物の売買が禁止されているという。
日本もやがて、
このように変化していくことを心から願う。
本日の記事はドーベルマンに限らず、
動物に関する情報カテゴリーからおとどけ致しました。
過去記事▼