相手の喜怒哀楽といった感情を、わたし達人間は仕草や言葉のイントネーションや端々から読み取ることが出来る。これはヒトだけが持つ能力だと考えられていたのだが、犬たちにも同様に備わっていると判明したーー
13匹のワンちゃんの脳をスキャンして判明
<How dog brains process speech (Andics et al., Science, 2016>より
最新の研究結果として、学術誌Science(9/2)にも掲載された、この研究を発表したのは、首都ブダペスト(ハンガリー)にある国内では2番目に大きいエトヴェシュ・ロラーンド大学の動物行動学研究チーム。
【言葉】と【イントネーション】を、【平常な言い方の時】と【褒めた言い方の時】、それぞれ組み合わせて4パターンを訓練士が発話。その際、あらかじめ、MRIマシーンを怖がらないように訓練された犬達13匹の脳をスキャンした。
その結果、ワンちゃんはヒトが発する【言葉】と【イントネーション】をそれぞれ区別して処理していることが判明した。つまり、平たく言うと、ワンちゃんたちは、わたし達人間の感情を言葉の端々やイントネーションから察知しているということになるのだ。
この研究チーフであるAttila Andics氏によると、この研究で、明らかとなったことは、ただ単に言葉とイントネーションを区別しているだけでなく、犬達は飼い主の感情の本質を察知しようとつとめていると語っている。
以前書いた、麻薬・爆発物探知犬とハンドラーが挑んだ“とある実験” - では、【犬は飼い主のポジティブな感情、ネガティブな感情を瞬時に察知する】という実験について、飼い主の【負のエネルギー】や【波動】を察知している、という、どこか曖昧な表現で終わっていたのが、今回、大学が発表したこの研究結果により、それが、より確かなものへと近づいた。
つまり、ワンちゃんたちに【ウソ】は通じないーー
もともと犬に備わっている優れた嗅覚と聴覚、そこに、ヒト独自と考えられていた能力、“相手の感情を察知しようとつとめる能力”があると判明した今、ワンちゃんたちに中途半端な言葉は通じないーー
褒めるときも、叱るときも、愛情を示す時も【心から】でないと見抜かれる。
なぜ、犬達が人間の【家族】の地位にまで上り詰めたのか、ようやく紐解けたといっても過言ではないだろう。
<資料:A kutyák agya képes feldolgozni, hogy mit mondunk, és hogyan mondjuk>
あわせて読みたい