PTSDという言葉をご存知だろうか。PTSDとは戦争から帰ってきた軍人達が抱える重度の精神的ストレスや罪悪感などのことをいう。PTSDの克服には、心理療法士や精神科医などのプロの専門家を必要とするがーー
トニーとドーベルマン
テキサスに大型ホームセンターがある。そこで働くトニーは1年前にアフガニスタンから帰還した帰還兵である。そして、彼自身も重度の精神的疾患“PTSD”を抱える一人だった。
帰還後も、彼の心の中は常に、罪悪感、悲しみ、苦しみや不安が支配していた。専門家による治療もむなしく、罪悪感は日に日に膨らみ続けていった。
そして、まさに、生きることを諦めようとしたとき、ある1匹のドーベルマンの仔犬が、彼の膝に顔をくっつけたーー。
彼の中に、小さくてか弱い仔犬の、大きなぬくもりが広がった瞬間だった。
ここに、働くトニーとドーベルマン(クーパー)の映像がある。店を訪れた客は、彼のそばを離れないドーベルマンの存在に気が付き、その理由を問いかける。
彼の妻が、彼のために藁にもすがる思いでドーベルマンの仔犬を連れ帰った。彼はこのドーベルマンのお陰で、外出し、他人と接することが出来るまでに復帰した。そして、ようやく新しい働き口を探そうという意欲も湧き始めた。
しかし、彼にとってこのドーベルマンは、決して、たとえほんの僅かでも、離れることが出来ない存在となっていた。
上の動画は、彼とドーベルマンを同時に雇用することを決定したテキサスのホームセンター【ロウズ】店内の様子である。
また改めて、私達はセラピードッグの偉大さを見せつけられるだろう。