<↑この仔、メスらしく美しい顔をしています。体躯も素晴らしい!見惚れてしまいます。>
ドーベルマンのファンは、訓練よりも、とりわけ展覧会に興味があるようです。「愛犬をショーに…」とまではいかなくとも、少し気になる、という方も多いのではないでしょうか。ドーベルマンがどのような基準で定められているのか、少しだけご紹介したいと思います。
ドーベルマンの外貌
- ドーベルマンは優美かつ高貴でなければならない。
- ドーベルマンはたくましさと大胆さを兼ね揃え、凛性がなければならない。
- 性格は服従性と作業意欲に富み、活気、確固たる自信に満ちた性格でなければならない。
- 前高姿勢で頭部を高く保持し、強靭で勇壮を醸し出す表情と体躯構成でなければならない。
ドーベルマンの場合、この品性と優雅さ、大胆さやたくましさが、重要な標準(スタンダード)として、はじめに記されています。
ドーベルマンの頭部
- ドーベルマンの頭部は正面から、また上から見てくさび形でなければならない。
- 頭部の皮膚は頭蓋に張って、弛緩してはならない。
- 正面から見て、額のラインは両耳に対し水平でなければならない。
- 側面から見た時、鼻梁線は額のラインに平行であり、頸部にかけゆるやかに丸みを帯び斜傾しなければならない。
- 頭部の長さは体高に比較し40%、オスの頭長は28cm、メス26cmが理想的。
- 頭頂部はまんまるしていたり、山のように隆起、ストップの段差が深すぎたり、明瞭でないものは望ましくない。(上のNGライン参照)
- これらのような頭部専門用語で、【アップル・ヘッド】【ダウン・フェイス】は望ましくない。
ドーベルマンの目元
- 目の形はアーモンド型が望ましい。目の色は被毛と同じ濃さ色でなければならない。切れ目、出目、くぼんだ目、ツリ目、黄色眼(猛禽の眼色)、異色眼は望ましくない。
- 瞬膜(目頭にある膜)も目立たないのが望ましい。
ドーベルマンの鼻
- 鼻先は毛色に合った相応の色でなければならない。湾曲せず十分に長さがあり、詰まった印象を与えてはならない。
ドーベルマンの口元
- 引き締まって結ばれ、42本の歯が揃ってなければならない。
- 口吻は厚さと幅がなければならない。
- 上下切歯の間隙は葉書一枚入る程度が理想的
繁殖者の間では、歯に関する専門用語で、
【ヒンタ−バイスゲビス(上顎の後方にある下顎の間隙が広すぎること)】
【フォアバイサーゲビス(上顎よりも下顎のほうが前面に突き出たアゴのこと)】
もしくは、【オーバーショット】【アンダーショット】と呼ぶ人もいる
遺伝的に折損歯や欠損歯が3〜4歳になって出てくることがある。
ドーベルマンの頬
- 表面からみても、上からみても頬は平らで、エラがはった印象を与えてはならない。
ドーベルマンの耳
- 耳の付け根は隆起してはならない。大きすぎず、小さすぎず、バランスの取れたサイズでなければならない。
ドーベルマンの頸部(首)
- たくましい首の筋肉に、たるみのない皮膚でなければならない。体長と比較しバランスの取れた長さが理想的。短い首は望ましくない。特にオスで華奢、筋肉の発達がみられない、皮膚がたれているのは望ましくない。
- 肩から伸びる首の輪郭は上がり勾配で、適度にアーチしている。
ドーベルマンの前肢
- どの方面から見ても前肢は地面に対し垂直で、上腕骨と肩甲骨の長さが等しく、ほぼ直角が望ましい。
- 肩甲骨は発達した筋肉で覆われ、その位置と長さと十分な斜傾はドーベルマンの歩様に優雅さを与える。
- 前肢の骨格は太く、筋肉も非常に発達し、たくましく、堅固が望ましい。
- パスターンは垂直、爪は黒色が望ましい。
- にぎりの締りのないものは望ましくない。(さらさらとした砂浜で運動をさせていると、フラットな弱いにぎりになるという。)
ドーベルマンの胴部
- キ甲はとくに雄には重要な部位であり、キ甲の高さにより、基本姿勢が決定される。
- 臀部は発達した筋肉で覆われ、横から見た胸の深さは、肘より下に達していなければならない。しかし、キ甲から測って、体高の50%を下回るのは望ましくない。
- 地面からキ甲までの高さはオスで70cm、メスで67cmまでとする。
- 他にも、不十分な胸の深さ、筋肉のない未発達な前胸、細すぎる体幅、長過ぎる胴、斜尻は望ましくない。
ドーベルマンの後肢
- オスの場合はとくに大腿部は幅広く、著しく発達した筋肉で覆われ、大腿骨と下腿骨は約130度。飛節は鈍角、かつ強固でなければならない。
- 股関節における角度は約80~85度である。
- 後肢の狼爪は認められない。ドーベルマンでは殆ど出てくることはないが、もし現れたらすぐにとる必要がある
- 飛節が外向、内向してはならない。O肢、X肢と原因となってしまう。
- 雄の場合、両睾丸が明瞭でなければならない。
ドーベルマンの歩様
- 優美かつ高貴、迫力があり、歩幅は潤滑で回転が早く、対角線上の前後肢は同時に踏み出される。
- 狭い歩幅、不安定、動揺のある歩行は望ましくない。
ドーベルマンの被毛
- 被毛は固く、かつ密着し、明確に区切られたマーキングが現れていなければならない。
- ドーベルマンのマーキング箇所は【口吻、口唇、頬、上瞼、喉、腕前部、趾部、後肢の内側、尻部、座骨突起部】
- 被毛が軟質、長毛、不明瞭なマーキング、白い被毛が混ざったマーキング、飛節付近の黒色マーキングは望ましくない。
<↑オスとメスではその美しさが異なりますね。オスもメスもどちらもエレガント!>
ドーベルマンの標準(スタンダード)をもっと詳しく知りたい方は