Doberman's Name:Zeus(♂・8 Y/o) Owner:Ken様
上手く扱えば抜群の訓練道具となるチョークチェーン。今回はその基本的な概念と使い方についてまとめよう。ここで述べるのは散歩中の引っ張りグセ対策としての【チョークチェーンの使い方】についてである。 その後に、当サイトに寄せられたチョークチェーンの使い方に関する質問トップ3を解説しよう。
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チョークチェーンの基本。
“チョークチェーンの組み立て方と装着方法【P字型】”
チョークチェーンの組み立て方や正しい装着方法は当サイトでも配布しているが今回はわかりやすい動画を紹介しよう。動画では以下の2点が説明されている。
①【チョークチェーンの組み立て方】
チョークチェーンの殆どが輪っかになっていない状態で販売されている。その組み立て方である。
②【チョークチェーンの正しい装着方法】
◎:正しい装着方法は【p字型】
☓:誤った装着方法は【q字型】
輪っかをP字に作ったらワンちゃんの正面に立ち、そのまま装着。 q字型で装着するとチェーンが緩まないので注意。
③チョークチェーンの脱着
チョークチェーンは頭を経由させて脱着を行う。そのため、理想的なチョークチェーンのサイズは頭からすっぱ抜けない長さ、かつ、締まった時に鎖の輪っかが4個ほど余分にあるのが好ましい。
チョークチェーンの基本概念
【ポイント①】
チョークチェーンは罰ではない。
チョークチェーンの組み立てと正しい装着方法がわかったら、次は【チョークチェーンに対する正しい認識】である。個人的な意見だが、チョークチェーンは首元を締めて犬に【罰を与える道具】だと思っている方が少なくないように思う。
例えば、以下の様な使い方である。
- 犬が引っ張ったらチェーンを引いて罰(ショック)を与える
この使い方は誤りである。チョークチェーンは犬への【罰】ではない。チョークチェーンは、チェーンの擦れる金属音を用いて、「いけないよ。」と自分の愛犬へ送る【合図】であると認識してほしい。
チョークチェーンの使用目的が【合図】だと認識できれば、この後に続く【チョークチェーンを引く【タイミング】についても、すんなり理解できるだろう。
チョークチェーンの基本操作
【ポイント②】
タイミングは犬よりも先に人が動くこと!
チョークチェーンの基本的な使い方が【合図】であると認識できたら、自分の普段の使い方を思い出してほしい。
果たしてチェーンは【合図】になっているだろうか?
自分の使い方が【罰】になってはいないだろうか?
【適切なタイミングとは】
では今度は、リードを引っ張る瞬間の愛犬の様子を思い出してほしい。
自分の愛犬がリードを引っ張りそうなとき、目付きや耳の動き、表情が変わる瞬間を見逃さずにチェック出来ているだろうか。散歩中、【人が前を通った】や【他の犬が通った】などの瞬間である。犬は必ず引っ張り出す前に上記のようなボディランゲージを示している。
時間があれば、こちらの記事▶犬を極める。【犬のボディランゲージ34の読解】 も参考にしてほしい。
つまり、自分の愛犬が引っ張り出す前には必ず【飼い主への集中力が途切れる瞬間】がある。散歩中、他に気になる対象が現れそちらに意識が向けられる瞬間である。
その、【他に意識が向けられそう!】と思った瞬間こそ、チョークチェーンを引く絶好のタイミングなのだ。
絶好のタイミングで合図を与えるには、愛犬がリードを引っ張りそうだと思ったときに自分の愛犬よりも先に飼い主が動くことが重要である。そのためには、飼い主が普段から愛犬をよく観察しているかどうかが大切である。
チョークチェーンの基本操作
【ポイント③】
チョークチェーンの引き方
チョークチェーンの正しい引き方は【短く軽く鋭く、キュッ!】である。
【ギュゥウウウ】は誤りである。
文字では説明できない部分があるので、訓練士をつけているなら訓練士の引くタイミングと引き方を徹底して真似してほしい。訓練士をつけていないなら、ドッグランなどへ行きチョークチェーンを使っている飼い主さんと話してその使い方を聞いてみるのも良いだろう。
では次に、当サイトに寄せられたチョークチェーンの使い方に関する質問トップ3を解説しよう。
Q:「散歩に出ると引っ張り続けるので、チェーンがずっと締まりっぱなしになるのですが・・・」
まずはじめに、リーダーウォーク(ヒールトレーニング)は、愛犬の集中力が途切れる対象がないところから始めるのが基本である。
このトレーニングの時間をしっかり設けて散歩に出ているだろうか?散歩に行く前に必ず10分でも15分でもヒールトレーニングの時間を設け散歩にでよう。
▼リーダーウォーク(ヒールトレーニング)の教え方はこちら
Q:チョークチェーンは耳下に固定するのが効果的とききますが、チョークチェーンを固定できません。肩までずれ落ちます。
確かに、チョークチェーンの効果的な使い方は耳直下にチェーンを固定することである。 その理由は、耳直下の方がショックが伝わりやすく、飼い主がショックを与える際のタイムラグも少なくてすむからだ。スパイク(首輪の内側にトゲトゲがついてる首輪)の装着位置も耳直下が基本であることを知っていれば納得できるだろう。
チョークチェーンを耳下に配置させるコツは、リードを折りたたんで短く持ち、チェーンを釣り上げ気味に持つことである。
イメージ▼
【コーリネイト】より
しかし、「チェーンを釣り上げ気味に」とは言うは易しで、慣れるまではどうにも難しいというのが本当のところである。正直、リードを短く折りたたんで持つのでさえ、慣れないうちは違和感を覚える飼い主も多いだろう。
プロの訓練士でさえ、チェーンの固定が容易なフック付きのチェーンを用いてトレーニングする人も多いほどなのだから。
フック付きチェーンとはこのような商品▼である
しかし、チョークチェーンは使い方を正しく理解するだけでも十分効果を引き出すことができるので安心してほしい。どちらかと言うと耳直下に固定させて訓練をする場合とは、すでに引っ張りグセが中レベル以上くらいに達する子の場合といえるだろう。
普段は、自分の愛犬の右側に立った飼い主がリードとチェーンを緩めておき、愛犬に合図を送りたい時にちょっと引けば、そのショックが愛犬に伝わり、意識を飼い主に戻す、というのが理想なチョークチェーンのトレーニングである。
チョークチェーンのFAQ【全長サイズの選び方、鎖の厚み、6種のチェーンタイプ、7種の金属と適正体重の関係】
上記に押さえたポイント以外にも、チョークチェーンを扱うには【知識】が必要になってくる。例えば、【適切な長さの選び方、1mm-5mmまでの鎖の厚み、6種のチェーンタイプ、7種の金属と適正体重の関係】などだ。それらは、以下でまとめているから是非合わせて確認してほしい。
最後に
Doberman's Name:REIRA(♀・8y/o) Owner:小夜子 様
大型犬の子犬を迎えると、成長とともに徐々に増してくる愛犬の力に備え、チョークチェーンを購入する飼い主はとても多い。しかし、チョークチェーンは力任せに引けば良いものではない。
①チョークチェーンは【合図】である。
②チョークチェーンを用いての訓練はタイミングが命である。
③チェーンの合図(ショック)は「短く軽く鋭くキュッ」である。
このポイントを意識しながら、適切なタイミングで合図(ショック)を与えられるようになれば、チェーンを引かずとも、犬から一歩離れるだけで、犬が飼い主に意識を戻すようになる。そこまでいけば、もはやリーダーウォーク(ヒール)トレーニングは完璧と言えるだろう。
Ken様、小夜子様、このたびはゼウスくん、レイラちゃんのお写真をご提供いただき誠にありがとうございました。スタッフ一同心よりお礼申し上げます。DobermanTimes®より
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