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DobermanName:Elly(♀・4ヶ月)Owner:カオン様
「ドーベルマンとドーベルマン・ピンシャーは同じ犬種?」と困惑される方は意外と多いのではないでしょうか。当サイトへも「ドーベルマン・ピンシャーの略がドーベルマン?」や、「正しい呼び方はどっち?」など、これまでに何度か質問が寄せられました。
日本で出版されている本やネット上でも、【犬種名:ドーベルマン】と紹介されていたり、【犬種名:ドーベルマン・ピンシャー】と記されていたりと、確かに困惑してしまいそうです。
結論から言ってしまうと、どちらも同じ犬種を指します。ですが、ただ単に【ドーベルマン・ピンシャー】が略されて【ドーベルマン】と呼ばれているわけではありません。
この2通りの呼び方には、しっかりとした理由があります。
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力も能力も高い犬種だから似合う
【ピンシャー】とはドイツ語で【テリア】のこと
【ピンシャー】とはドイツ語で【テリア】のことを表します。そして、【テリア】とは主に農場などで害獣捕獲を行なう犬種(猟犬)のことを表します。
かつて、1800年末〜1900年初期のドーベルマンが創り出されてまだ間もない頃、ドーベルマンは【ドーベルマン・ピンシャー(テリア)】と呼ばれていました。
“ドーベルマン”とは創作者の名前です。(ドイツで犬種創作者の名前がそのまま犬種になっているのはドーベルマンたった1種です。)
そして、その“ドーベルマン”の後ろに、猟犬を表す“ピンシャー”が加えられ、【ドーベルマン・ピンシャー】という名前が誕生しました。
【ピンシャー】が加えられた理由は明白で、創作者ドーベルマン氏が、自身の護衛と野犬捕獲(狩猟)を目的として作出したことに起因します。
【ドーベルマン・ピンシャー】から【ドーベルマン】へ
第2次世界大戦も終りを迎え、ドーベルマンが軍用犬・警察犬として立派な功績を残した頃、ドーベルマンの原産地ドイツでは、その傑出した護衛能力を称え、もはやドーベルマンに【ピンシャー(猟犬)】のカテゴリーはふさわしくないと、【ドーベルマン・ピンシャー】という名前から、【ピンシャー(テリア)】を外すことを決め、犬種名を正式に【ドーベルマン】と改めました。
半世紀後、イギリスでも、【ピンシャー(猟犬)】というカテゴリーが、やはり、軍用犬・警察犬として認知されたドーベルマンには、相応しい名前ではないとして、ドイツ同様に、名前から【ピンシャー】を外しました。
そして現在、ヨーロッパ全土で【ピンシャー】は外され、正式な犬種名【ドーベルマン】として認知されています
【ドーベルマン・ピンシャー】は昔の名前?
そうなると、ドーベルマン・ピンシャーは昔の名前?と思ってしまいそうですが、実際はそうではありません。
なぜなら、アメリカでは今もなお、ドーベルマンが作出された当初の呼び方、【ドーベルマン・ピンシャー(テリア)】と呼び、“ピンシャー(テリア)”がついたままとなっています。
原産国ドイツは、アメリカに犬種名の統合を依頼していますが、未だ変更に至ってはいません。 おそらくここが、同じ犬種に2パターンの名前があり、「同一犬種??」と困惑してしまう部分なのでしょう。
日本ではどう呼ばれてる?
日本では他国のようにはっきりわかれていないところがあり、【犬種名:ドーベルマン・ピンシャー(別名ドーベルマン)】と記されていたり、もしくは【ドーベルマン・ピンシャー】とだけ記されている場合もあって、様々です。
どちらで呼んでも決して誤りではありませんが、傾向としてはヨーロッパ同様に【犬種名:ドーベルマン(別名ドーベルマン・ピンシャー)】に固定されつつあるようです。
【カオン様、写真のご提供、誠にありがとうございました(*^^*)】