大型犬の犬舎(犬小屋)とはどうあるべきか。今ではペットブームも相まって、小型犬だけでなく大型犬や超大型犬でも室内で飼育する飼い主は増えている。とはいえ、当サイトには外で大型犬を飼う場合のフェンスの高さやスペースの広さ・材質についてなど、問い合わせはちょこちょこと寄せられている。今日はそんな【屋外での犬舎(犬小屋)とはどうあるべきか】についてまとめてみよう。
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大型犬1頭に必要な最低限の広さとは?
参考までにまずこちらの動画をご覧いただきたい。海外で販売されている屋外用犬舎だが、柵の高さ、小屋(寝室)のあり方、運動場の広さにおいて理想的な犬舎だ。これから犬舎を設置するためには非常に参考になるだろう。
<最近の屋外用犬舎は中々ハイテクである。>
自作にしろ購入にしろ、大型犬はエネルギーレベルが一様に高い。成犬に成長した時でもある程度のスペースを確保するためのポイントは、犬小屋を含めた全体を、正方形に確保するのではなく、可能な限り長方形に確保することだ。大型犬1頭あたり最低でも1坪半、広さで表すなら畳3畳分はほしいところである。約半分が小屋(寝室)、その他がトイレや運動場である。
屋外犬舎で大型犬を飼育するときの注意点だが、スペースは広ければ広いほど良いというものではない。広すぎると放浪癖がついてしまう恐れがある。また、仔犬のころからその場で飼育すると、上述した大きさの寝室は仔犬にとっては広すぎる。仕切り板など用いて仔犬のサイズに合わせて、徐々に仕切り板を広めてやるのが良いだろう。
快適に過ごせるための工夫
<庭に大型犬がいるというプレートも必要である>
-雨天(屋根)-
寝床に屋根があるのは当たり前として、運動場にも屋根がほしいところである。雨が降り、体がびしょ濡れのまま寝床に入らせるのは、衛生的に良いとはいえない。
-設置場所-
短毛種は特に、冬の寒さにはめっぽう弱い。そのため住んでいる地域が関東より東北・北の場合は寝室(小屋)の入り口から北風が入り込まない向きに置くこと、夏場は西陽が直接入り込むような位置ではないことがベストだ。かつ、犬舎は自宅の部屋からでも目の届くところに設置しよう。部屋の中からでもアイコンタクトがとれる方が、犬も安心する。
-材質-
材質は木材より、可能ならばステンレスやアルミ、軽量鉄骨をおすすめする。木材は腐りやすい上、切り口で怪我しやすく、一度染み込んだ汚れや臭いは残ることがある。
-フェンス(鉄柵)-
大型犬向けのフェンス(金網)の高さは、脚を掛けて登る仔もいるため1m60cm〜2mは必要である。一方、鉄柵の場合、脚を掛けれないため、高さは1m50cm〜1m60cmが平均的だろう。
フェンスの戸(蝶番の金具)は頑丈な物を用いよう。犬は出入り口をよく理解しているため、真っ先に出入り口を目指し体当たりすることを覚える。幅は50cm〜70cmがベストだ。
フェンスの強度だが、体当たりしたり、噛んだりするため、フェンスはマズルが入らない幅の狭いもの(金網番線10~12番)をおすすめする。またビニールで覆われたフェンスは大型犬には強度が足りない場合がある。
食器の出し入れのため、フェンスの戸を上下にわけて開閉出来るような工夫も取り入れてみるのも良い。上の動画のように食器用の小さな扉を設置するのも良いだろう。
土台はコンクリートかそれとも土か
犬舎を設置する土台は、コンクリートが良いのか、それとも土が良いのかという点で、洗い流しが出来ることからコンクリートの方が良い。(※コンクリートではない場合、上の動画のように板や、すのこなど敷くと良い。)
しかし、コンクリートの上にそのまま寝せるわけにはいかない。板や、隙間が狭いすのこなどを敷いて、さらにベッドにはクッション性の高いものを敷いてやる必要がある。
運動場を土にする場合、犬舎から運動場にかけてゆるやかな傾斜もしくは段差があるのが良い。水洗い時の排水や、運動場の土をなるべく寝室に持ち込まないようにするためである。
大型犬は肘や脚にタコができやすい。タコが気になるようであれば、運動場の半分だけでもやわらかなすのこ など敷いてやるのも一つの予防策だ。
その他の工夫
電気は寝室と運動場2つに設置すること。電灯スイッチは小屋の外に設ける。
次に、フィラリア対策として電気蚊取り器を寝室と運動場に設置するためそれぞれコンセントも必要である。
夏場はすだれなどで日陰をつくってやる工夫をして、冬場は、防寒対策として断熱材と ペット用電気マット を設置する。
小屋(寝室)には換気を良くするために小窓もつくってやると良い。
排泄物の洗い流しは毎日行うため、近くに水道と、小屋の横に用具やフードなどを置くための備品置き場(物置場)を半坪ほどの広さで設けることも重要だ。自作で犬舎を作るときは、この物置場も犬舎の一部として設計図に加えておこう。
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